井上潜、本田大次郎
国立の旭川医科大学(北海道旭川市)の次期学長に選任された西川祐司副学長(61)=病理学講座(腫瘍(しゅよう)病理分野)教授=が1日記者会見し、今後の大学運営方針を示した。同大では6月、不祥事が続いた吉田晃敏学長の解任を学長選考会議が文部科学相に申し出た。選考会議は11月、西川氏を次期学長に決定。西川氏は会見で「大学の再生は吉田氏の影響力を完全に排除した上でのみ可能となる」と語った。
西川氏は吉田氏が設置した学長政策推進室について、「学長と学長政策推進室による独善的・恣意(しい)的な大学運営につながった」として廃止する意向を示した。大学運営会議の構成員は「学長にも建設的な批判的意見を述べる方にお願いする」とした。「看護学科は重要な部門」とも指摘し、これまで大学運営への参加機会が限られていた看護学科長を同会議に加える考えも明らかにした。
西川氏は吉田氏の下で副学長を務めてきた。吉田氏の大学運営に意見を言えなかったのか問われ、「学長の独裁的な体制の中で、一副学長として正すことができなかった」と語った。
旭川医大では昨年末以降、吉田学長のパワーハラスメントや不適正支出などの問題が噴出し、学長選考会議が6月22日、文科相に解任を申し出た。吉田学長は直前の同17日に辞表を提出。選考会議は11月、投票で西川氏を次期学長に選んだ。文科相が吉田氏の辞任か解任を決めれば、西川氏が正式に学長に就く。
西川氏は「文科相による学長任命がいつになるか見通せず、市民の方たちが大学の行く末を心配している」と、就任前に会見した理由を説明した。
また同大の付属病院では1月、吉田氏と対立した院長が解任され、その後院長不在が続いている。西川氏は「できるだけ早くリーダーの下で積極的な病院運営を回復させなければならない。病院長の判断を尊重しつつ民主的な運営をしたい」と述べた。(井上潜、本田大次郎)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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