東京都港区のJR高輪ゲートウェイ駅近くの再開発事業地域でみつかった、日本で初めての鉄道が開業した際に造られた「高輪築堤」の遺構について、萩生田光一文部科学相は16日、現地を視察し、再開発を進めるJR東日本の深沢祐二社長らと意見交換した。萩生田氏は終了後、報道陣に「開発と保存を両立させながら貴重な文化遺産を現地で保存・公開できるように検討して頂きたい旨お願いした」と述べた。
高輪築堤は、明治時代初めの1870年に着工。鉄道を海上に通すため、現在の田町駅付近から品川駅付近までの約2・7キロにわたり浅瀬に設けた盛り土を石垣で固め、その上に線路を敷いた。2019年春に品川駅の改良工事の際に石垣の一部が見つかり、その後、調査が進められてきた。
萩生田氏は「明治日本の近代化を体感できる素晴らしい文化遺産だと感じた」と述べるとともに、鉄道建設は日本の工学部の発祥につながったとして「明治以降の日本の近代化の人材育成のためにも、大きな価値のある遺構」とも評価。「移設して価値が保存される性格のものではない。現地にあって文化財保護法の史跡の指定をされて初めて、より保存の強化や価値が高まるということになると思う」とし、現地保存が望ましいとの見解を示した。国が財政面などで何らかの支援をする覚悟もあるとしたが、保存の規模については「私が残すべきボリューム感についてお話しするのは、やや知識が足りない」とした。
築堤をめぐっては、日本考古学…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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