雨の日でも昼間でも、満天の星を楽しめるプラネタリウムがドイツで誕生して21日で100年を迎える。星の動きを再現するために開発された科学装置は今や、コンサート会場やデートスポットなど科学の枠を超えて利用が広がった。21日の当日は、日本やドイツなど世界各地で記念イベントが開かれる。
ドイツ博物館で光学式のプラネタリウムが公開されたのは1923年10月21日のこと。地上に再現された星空に当時の人々は驚いた。
14年後には日本にも導入された。日本はその後、設置数で米国に次ぐ世界2位、世界の4大メーカーのうち3社が集まるプラネタリウム大国になっていく。
近年は、エンターテインメントの場としても広がりを見せている。
若者が集う東京・渋谷にあるコスモプラネタリウム渋谷は、コンサートやファッションショーといったイベント利用に力を入れている。
特に多いのがプロポーズのための貸し切り。生まれた日や記念日の星空の下でプロポーズできるとあって、多い時には月5回ほどの予約が入るという。
前身の五島プラネタリウムは1957年に開館した老舗だが、早くからデートスポットとしても知られていた。半世紀近く解説員をしている村松修さん(74)は「プラネタリウムをきっかけに付き合って結婚したという夫婦が、子どもを連れて来てくれる」と喜ぶ。
21日には、渋谷など全国32施設で、100年前の星空を同時投影するイベントが開かれる。
村松さんは「天文学の学習が目的だったプラネタリウムは、デジタル技術を導入して進化してきた。それでも、子どもからお年寄りまで多くの人に愛されるプラネタリウムがこれからも続いてほしい」と期待する。(小川詩織)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル