米田千佐子
古都に春の訪れを告げる東大寺(奈良市)の修二会(しゅにえ)の本行が1日始まった。「お水取り」と呼ばれ、世界平和や人々の平安な暮らしを祈る宗教行事はコロナ禍でも続けられ、今年で1271回目を数える。
法要を担う練行衆(れんぎょうしゅう)(こもりの僧)が午後7時すぎ、6~7メートルのたいまつを担いだ童子の後ろに続いて二月堂に進んだ。舞台では、童子が雨の中にたいまつを突き出したり、走ったりして火の粉をまき散らした。
14日まで1日6回、二月堂本尊の十一面観音の前で、人びとの日頃の過ちを懺悔(さんげ)し、祈る。大仏開眼と同じ752年に始まったとされ、南都焼き打ちや太平洋戦争といった危機を乗り越え、「不退の行法」として途切れることなく続くと伝わる。(米田千佐子)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル