海外ではアートとして高い評価を得る春画の展示が日本で難しいのはなぜなのか。2015年に日本で初めて、本格的な春画展が開催されるまでの舞台裏を追ったドキュメンタリー映画「春画と日本人」が26日から大阪と京都で上映される。
春画とは性の営みを描いた肉筆画、版画で、平安時代から描かれており、江戸時代には「笑い絵」とも呼ばれ、庶民から武家までが楽しんだ。葛飾北斎や喜多川歌麿ら浮世絵師も描き、刷りや彫りの高い技術や繊細な表現をロダンやピカソが高く評価し、収集するなど、海外ではアートとして認識されている。
春画展は13年にロンドンの大英博物館で開催され、好評を博した。日本では15年に永青文庫(東京都)で開かれ、年間の平均来場者が2万人という博物館に3カ月で21万人が訪れるなど、成功を収めた。
だが開催に至る道は長かった。東京での開催を希望するも、多くの博物館、美術館が受け入れに難色を示した。現場が前向きでも、「何が起きるかわからない」「イメージが悪い」などの理由でトップが判断を覆すこともあったという。
監督を務めた桜美林大学教授の大墻(おおがき)敦さん(56)は、なぜ日本での開催が難航するのかに興味を持ち、撮影を始めた。
映画では、明治以降、近代化を…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル