突き出たボンネットがかわいらしく、車体から昭和の雰囲気が漂う――。半世紀以上前、各地で住民の足として活躍したボンネットバス(ボンバス)が、茨城県石岡市に集結している。
同市の会社員、小嶋幸夫さん(57)が2005年から買い集め、今年6月で4台になった。催しなどに貸し出し、観光客らを楽しませてきた。
小嶋さんは40歳の時、ジープ(小型四輪駆動車)いじりが高じて、両親の実家近くの元倉庫(約2千平方メートル)を購入。横浜市から移住して、大型ガレージに改装し、隣接する空き地(6千平方メートル)も確保した。
05年に、1960年代のボンバスと出会い、夢中になった。
岩手県から13時間運転して連れてきた。千葉県香取市などの催しから声がかかり、レトロな旧市街地巡りに花を添えた。
2台目は08年に購入した。岡山県高梁市の路線バスとして走っていた56年前の車体で、京都、徳島の愛好家を経て小嶋さんの手元に。ペンキで車体を鮮やかな赤に塗り直している。
3台目は15年に購入した山形県のスキー場の送迎に活躍した車両。4台目は6月、仲間と4人で2日間運転してきた。エアコンやシートベルトなどはなく、床は木製。ギアチェンジも滑らかではなく、ハンドルも重い。「乗りにくい。でも好きですね」と小嶋さん。
日本バス友の会(埼玉県ふじみ野市)によると、ボンバスは1950年ごろ各地で活躍した。70年ごろから、エンジンを最後部座席の下に置き、乗車定員を増やした箱型が開発されるなどして姿を消した。現在は岩手県でスキー場の送迎に、小豆島(香川県)などでは観光用に活用されているという。
部品確保が難題で、小嶋さんの…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル