昭和大礼の朝集所に雨漏りやカビ 台風被害、修理費募る

 1928年に京都で挙行された昭和天皇の即位礼や大嘗祭(だいじょうさい)などの昭和大礼で使用された後、京都市上京区の光照院に移築された建物が、昨年から相次いだ台風で深刻な被害を受け、維持が危ぶまれる事態となっている。昭和大礼の建築物で現存する貴重な建物であり、1日始まった京都非公開文化財特別公開(京都古文化保存協会など主催、朝日新聞社特別協力)で公開されている。光照院は10日までの会期中に修理費用の寄付を募り、寄付者に飛び出す御朱印帳を贈る。寄付の申し込み・問い合わせはメール(emuck97267@yahoo.co.jp)で。

 この建物は、尼門跡寺院の光照院の境内に立つ「常磐(ときわ)会館」。昭和大礼の際に京都御苑に設けられた大嘗宮(だいじょうきゅう)の南側に、参列者が集まる朝集所として建てられた。その後、代々の皇女が住職を務めていた光照院に下賜(かし)され、境内に移築された。常磐会館はホールと和室3室からなり、ホールは柱のない大空間に赤じゅうたんが敷かれている。主に生け花の稽古や文化行事の会場として使われてきた。

 京都市文化財保護課の原戸喜代里(はらときより)さんによれば、大礼のために大規模な建物を建てたのは大正と昭和の2回だけで、昭和大礼では全国の95団体に建物が下賜・移築されたが、現存が確認されているのは20件程度しかないという。

 だが、昨年9月の台風21号の…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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