広島市安芸区の住宅団地「スカイレールタウンみどり坂」。戸建て住宅が並ぶ斜面をはうように白い高架レールが延びる。ぶら下がった定員25人の青いゴンドラが、滑るように進んでいった。
モノレールとロープウェーの技術を融合させた国内唯一の交通システム「スカイレール」。団地の開発に伴い、1998年に開業した。運行会社の当時の資料によると、従来の車中心の発想を転換し、住民の歩行を支援するため、団地の地形に合わせて導入された。
ふもとのJR瀬野駅から標高差160メートル、長さ1・3キロのレールを約6分半で移動する。両端と中間、合わせて三つの駅があり、現在は、平日87本、休日70本に加え、必要に応じて臨時便が運行される。
「ラストワンマイル」交通で時代先取り
団地には2269世帯、7236人(2023年8月末現在)が住んでいる。朝夕のラッシュ時には乗車待ちの列ができるが、日中の乗客は少ない。自宅という目的地への最終区間、いわゆる「ラストワンマイル」を担う交通手段だが、駅から遠い乗客は、団地内の急な階段や坂道を上り下りする必要もある。
長年、住民の足として使われてきた「スカイレール」だが、運行会社の営業収支は、約1億2千万円(2021年度)の赤字。来年4月末での運行終了と、電気バスへの置き換えを決め、バス停16カ所を新設する予定になっている。
各地で今、乗降する時間や場…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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