文科省が学校の“臨時休業”ガイドラインを改定
新年度が始まった1日、文部科学省は、感染者がいない学校も含めた地域一斉の臨時休業の考え方を盛り込んだ、臨時休業に関するガイドラインを改定した。
【画像】感染者がいない学校も含めた、地域一斉の臨時休業の考え方
同省は3月24日、「新型コロナウイルス感染症に対応した学校再開ガイドライン」を作成して発表。学校においては、新型コロナウイルスに感染しやすい3つの条件(換気の悪い密閉空間、多くの人が密集、近距離での会話や発声)が同時に重なることを徹底的に回避する対策が不可欠だと指摘していた。
臨時休業に関しては、感染した児童生徒やその濃厚接触者を出席停止とするほか、学校が「感染者の症状の有無」や「学校内における活動の態様」「接触者の多寡」などから、「感染した児童生徒等及び濃厚接触者の出席停止のみ」または「学校の全部または一部の臨時休業の実施」を判断することとしていた。
「感染者がいない学校も含めた、地域一斉の臨時休業の考え方」
しかし、政府の新型コロナウイルス感染症対策専門家会議の提言を受け、ガイドラインを見直した。具体的には、従来の「児童生徒等又は教職員の感染が判明した学校の臨時休業の考え方」に加え、「感染者がいない学校も含めた、地域一斉の臨時休業の考え方」の項目ができたのだ。
そこでは、1日の専門家会議の提言にあった「感染拡大警戒地域」(新規感染者数や感染経路が明らかでない感染者が急増などしている地域)においては、感染拡大を抑える観点から「3つの条件が同時に重なる場」を避けるための取り組みを徹底するため、自治体首長から外出自粛要請や集会・イベント・会食などの行動制限メッセージの発信等がなされることが考えられるが、その際には、学校の運営のあり方についても検討する必要があるとし、以下の2点にふれている。
1)学校運営上の工夫について
学校への通学にあたって、電車等の公共交通機関を利用している場合には、もっぱら徒歩圏内から通学している場合とは異なり、通学中に児童生徒等に感染が生じたり、児童生徒等から感染が拡大したりする可能性が高まります。
このため、通学に電車等の公共交通機関を利用している場合には、時差通学や分散登校等の工夫について検討することも考えられます。同様に、教職員が通勤に公共交通機関を利用している場合においても、時差出勤等の工夫について検討することが考えられます。
2)臨時休業をする場合の考え方について
4月1日に示された専門家会議の提言では、「感染拡大警戒地域」においては、「その地域内の学校の一斉臨時休業も選択肢として検討すべきである」とされています。 このことも踏まえ、地域の感染状況に応じて、自治体の首長が地域全体の活動自粛を強化する一環として、学校の設置者に臨時休業を要請することも考えられます。この場合には、他の社会・経済活動の一律自粛と合わせて行うことにより、その効果が発現されるよう留意することが必要です。
感染者がいない学校も含めた地域一斉の臨時休業を検討することや、臨時休業をしない場合でも時差通学や分散登校の工夫を求めているが、地域ごとの判断に委ねられている。
東京都の場合は1日、感染拡大を防ぐため、都立の学校について、ゴールデンウイークまで休校にすることを決めたが、小中学校を管轄する区市町村では、突然の方針変更に対して対応に苦慮している。ガイドラインでは「学習指導に関すること」についてもまとめられているが、休校になれば学習の遅れや各家庭にも影響が出てくる。その一方で子どもたちを感染から守りたい…悩ましい判断を迫られている。
FNN.jp編集部
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