普通ならないお茶の実が島の「宝」に カギとなるのは「耕作放棄地」

 鹿児島県種子島西之表市役所に勤めていた日笠山昭代さん(64)は5年前、テレビ番組で茶の実を搾って油がとれることを知った。

 でも、知り合いの茶農家に聞いてみると、「荒れた畑には実がなっているけど……」。ふつう、茶畑の木に、実はならないという。

 花や実をつけると木が栄養を消耗するため、茶農家は剪定(せんてい)をしてつぼみをつけないよう管理し、新芽を摘んで茶葉にする。

 実をつけるのは、農家が手を入れなくなった耕作放棄地の茶の木なのだ。

 西之表市によると、市内には24戸の茶農家が約74ヘクタールの茶畑を耕作している。ピーク時の2013年に比べて戸数は半減、耕作面積は3割ほど減った。茶の木を放置したまま耕作を放棄した畑も少なくないという。

 市職員として農政にも携わっ…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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