普通の暮らしに流れ続ける「嫌な感じ」 新城和博さんが見る代執行

 代執行の前も後も、日常があり、沖縄にも普通の暮らしがある。できるだけ一喜一憂しないようにしています。それでもこの30年近く「節目」のたびに基地についてどう考えるのかと、沖縄ばかりが問われてきた。答えはノー。意思表示しても日本政府は聞く耳を持ちません。「嫌な感じ」。そんな感覚が続いています。

 家族と一緒に初めて基地問題で抗議集会に参加したのは1995年、米兵3人が小学生の少女を暴行する事件が起きたときでした。米兵の身柄が日本側に引き渡されない日米地位協定の壁だけでなく、基地そのものの存在、それが集中している沖縄の現状を問わなくてはならないのだと考えさせられました。会場で見かけた、女子高校生や子連れの母親の姿が印象的でした。

 事件後に普天間問題は動きましたが、混乱の極みです。32歳だった僕は60歳になり、娘は29歳になりました。30年というのは一つの時代。人生を狂わされた30年と考えると恐ろしいです。

 米軍統治下にあった沖縄が日…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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