気温が上がり、真夏日や猛暑日になると、熱中症で救急搬送される人が相次ぎます。どうすれば熱中症を防げるのでしょうか。「熱中症予防啓発ネットワーク」代表の犬飼公一医師(大阪府済生会千里病院の千里救命救急センター)の話をもとに、特に高齢者や子どもたちの注意点をまとめました。
最も大切なのは、脱水を防ぐことです。特に屋外にいる場合は、こまめに水分補給をしましょう。子どもの場合は、親がこまめに声をかけましょう。
気温が上がり始めて体が暑さに慣れない時期は、自覚のない「隠れ脱水」も起こりやすくなります。また、マスクをしていると、脱水による口の渇きに気づきにくくなります。のどが渇ききってからでは遅いので、特に高齢者の場合は、約2時間に1回は水を飲むことをおすすめします。
冷房は、暑く感じる前につけることが大切です。目安としては、室温が28度を超えたらつけることをすすめます。
高齢になると、暑さを感じるセンサーが鈍ってくる上、汗もかきにくくなって体の外に熱を逃がせないため、冷房を我慢しているうちにいつのまにか熱中症になっていたというケースが少なくありません。
救急車を呼ぶ目安は
屋外にいる場合は、日陰や冷房の利いた室内でこまめに休憩するようにしてください。スポーツや肉体労働中で汗を大量にかく場合は、塩あめなどで塩分補給をするのも有効です。
熱中症は、深刻な後遺症を残すこともあります。周囲の人が見ていて、いつもと様子が違って意識が混濁していたり水分がとれないほどぐったりしていたりしたら、すぐに救急車を呼んで下さい。
脱水状態については、自分自身で判断できる目安もあります。手の甲の皮膚をつまんだ時に戻りが悪かったり、爪を指で押した時に白くなった後ピンク色に戻るまでに2秒以上かかったりすると、脱水状態になっている可能性があるので、すぐに水分を補給し、気分が悪ければ受診してください。
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犬飼医師が以前勤務していた…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル