暖冬が400年続く祭り直撃 ふんどし姿で冷たい雨に打たれ作柄占う

 過去に例がない暖冬は、400年以上も前から続く神事をも揺るがした。

 岩手県二戸市にある似鳥八幡神社の春の例大祭「サイトギ」。五穀豊穣(ほうじょう)や無病息災を祈り、地域で受け継がれてきた祭りだ。

 燃えさかる井桁に組んだやぐらを指す「サイトギ」の火の粉の流れと、炊いた穀物を剣状に盛った「オコモリ」の崩れ具合で、その年の農作物の出来を占う。

 2月15日。昨年は降り積もった雪が凍り、境内は真っ白だった。それが今年は冷たい雨で、田んぼのように地面がぬかるんでいた。

 長老たちは口をそろえた。「生まれてこのかた、雨なんて初めてだ」

 開始前、約1週間前から神前に供えられていたオコモリを特別に見せてもらった。例年は作るとすぐに凍り、真っ白に固まった状態だという。しかし、目の前にあるのは全体的に黄ばんで、ひび割れもひどい。今にも崩れそうだ。

 今年の作柄は一体どうなってしまうのか――。

 記者(54)=盛岡総局所属=は昨年に続き、似鳥地区の豊作と無事を祈り、裸参りなどからなる祭りに参加した。

この冬、北東北は極端に雪が少なく、気温が高い日が続いている。夏の猛暑に続き、地球温暖化による異常気象なのか。過去に例がないという状況の中、農作物の出来を占う重要な使命を成し遂げられるか。正面から自然と向き合う貴重な体験になった。

 「雨でぬれると寒さがこたえ…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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