暗闇の土砂崩れ現場、閉じ込められた母…救助につながった奇跡の光

 熊本県南阿蘇村の高台にある京都大学火山研究センターを、激しい揺れが襲った。

 2016年4月16日午前1時25分。熊本地震の本震だった。

 大倉敬宏教授(59)は前震があった14日夜に続き、1人でセンターの4階に泊まっていた。

 ベッドがあるだけの仮眠室。寝入って間もなくのことだった。

 ドカーンと吹き飛ばされるようにたたき起こされた。

 けがはない。非常用電源のおかげで室内灯はついていた。

 鳴り響く非常ベル。火災を恐れて、1階へ。

 壁は崩れ落ち、床もゆがんでいた。天井を走る水道管が破裂して、中は水浸しだった。

 「だれか来るかもしれない」と、室内灯をつけて回った。

 正面玄関のドアは開かず、なんとかこじあけた別のドアから外に出た。

地震から1時間半後 「うわっ、ほんとに来た」

 ガレージを見ると中の車が動…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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