暫定指針56倍のPFASを検出 京都府綾部市、事業者の放流原因か

西崎啓太朗

 京都府は17日、綾部市内を流れる河川から、国の暫定指針値を大幅に超える濃度の有機フッ素化合物(総称PFAS〈ピーファス〉)が検出されたと発表した。府が同市の犀川と支流の天野川の5カ所を調べたところ、4カ所で暫定指針値を超え、最大で56倍に達していた。

 市は、周辺住民に井戸水を飲むのを控えるように呼びかけている。水道水の安全性は確認済みだという。

 検出されたのは、泡消火剤などに使われるPFOS(ピーフォス)とPFOA(ピーフォア)。いずれも発がん性が疑われ、国の暫定指針値は合計で1リットル当たり50ナノグラム(ナノは10億分の1)以下となっている。

 府は環境省の通知に基づき、2021年度から府内の河川48カ所で1年に1度、有機フッ素化合物の値を調べている。

 その一つ、犀川小貝橋の値は、今年8月の調査で220ナノグラムと高かった。そこで犀川上流を調べると、支流の天野川で2800ナノグラムが検出され、暫定指針値の56倍だった。

 府は天野川沿いの事業者の放流水が原因とみて、9月5日、事業者が放流時に使っている活性炭の交換などを指導した。20日には全ての対策が終わる予定で、21日に再び値を調べる。犀川周辺の井戸水についても近く調査することにしている。(西崎啓太朗)

有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

Japonologie:
Leave a Comment