東京・神田の繁華街を「縄張り」とする暴力団側にみかじめ料を払ったとして、警視庁が7月までに飲食店と風俗店計3店舗の経営者ら3人を都暴力団排除条例違反容疑で書類送検したことがわかった。同じエリアでは3店以外にも複数の店舗がみかじめ料を払っていたことが確認されているという。
神田署によると、経営者ら3人は2019年10月~今年1月、指定暴力団住吉会系組幹部に計72万円をみかじめ料として支払った疑いがある。幹部は、それぞれの店からみかじめ料を受け取ったとする同条例違反罪ですでに起訴されている。
警視庁は3月、3店とは別の居酒屋を脅し、約5年にわたってみかじめ料を支払わせたとして、この幹部のほか同じ組の関係者ら3人を恐喝容疑で逮捕。その後の捜査で、この組が10年以上前からJR神田駅周辺の居酒屋やキャバクラなど、少なくとも十数店舗からみかじめ料を徴収していたことが判明したという。
書類送検の対象となった3店舗を含む多くの店は、19年10月施行の改正都暴力団排除条例が定める「暴力団排除特別強化地域」内に位置していた。同地域内の飲食店や風俗店などがみかじめ料の支払いに応じると、行政命令などを経ずに1年以下の懲役または50万円以下の罰金が科される。神田のほか、六本木や銀座なども指定されている。
書類送検された3人は、慣例的に支払いに応じていたなどの側面が証拠で裏付けられたとして、摘発の対象となったという。
署によると、みかじめ料を受け取ったとされる幹部らが逮捕されて以降、神田駅周辺でみかじめ料をめぐるトラブルはないという。署は新たな暴力団勢力が入り込まないように警戒を強めている。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル