暴力団員の離脱・就労を支援へ 北九州市が新年度予算案に1千万円

 北九州市が新年度から、暴力団組員の離脱や離脱後の就労を支援する事業に取り組む。相談に乗ったり、資格を取るための費用の一部を補助したりするという。市は2022年度一般会計当初予算案に約1千万円を盛り込む。市町村が直接元組員の就労支援をするのは珍しいという。

 市によると、暴力団被害などの相談に応じる市役所内の「安全・安心相談センター」に、離脱や就労に関する窓口を置き、離脱希望者や元組員、その家族らの相談に応じる。

地元を離れ再起したい元組員に引っ越し代補助も 工藤会弱体化で離脱増を想定

 また、就労を受け入れる事業者に対し、運転免許など業務に必要な資格取得の費用の一部を補助する。抜けた組織からの報復を恐れ、市外や県外での就職を希望する元組員が多いことから、引っ越し代も一部補助する。

 元組員の就労支援については、これまでも福岡県警や県暴力追放運動推進センターも取り組んできた。だが昨年、北九州市を拠点にする特定危険指定暴力団・工藤会のトップに福岡地裁が死刑判決を言い渡し、本部事務所も撤去されたことで、離脱を望む組員が増えることも想定されるという。市も連携して支援に加わることで、暴力団の弱体化を進める狙いがある。

「元組員」 経歴を敬遠する企業も 

 今回の北九州市の取り組みに、県警組織犯罪対策課は「社会復帰には受け皿が不可欠。自治体として離脱者を受け入れるメッセージを示すことで、離脱を迷う組員への後押しになる」と期待する。

 福岡県には、全国最多の五つ…

この記事は有料会員記事です。残り591文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

Japonologie:
Leave a Comment