新型コロナウイルスの影響で演奏活動の制限が続くクラシック音楽界。練習や本番で活用できるよう、フルート専用のフェースシールドを演奏家たちが開発した。
兵庫県尼崎市のフルート教室で今秋、約10人が練習に励んでいた。生徒たちは互いに距離をとり、目の下から口元をフェースシールドで覆っている。それなのに、横に伸びるフルートを難なく構えている。
よく見ると、半円状の固定器具を頭にかぶり、両耳の横から伸びる細いアームの先にマグネットでシートをつけている。器具のかぶり方や左右に動くアームを使い、フルートの種類や楽器の構え方によってシートの角度を自由に調整できる。シートは市販のポリエチレン製で、軽くて薄い。そのため響きは損なわれず、目を覆っていないので楽譜も見やすい。
教室の講師でフルート奏者の平岡洋子さん(61)が、演奏仲間と協力して作った。これまで、市販のフェースシールドの口元の一部を切って吹奏楽部で使っていたという神戸市の高校3年、青木慧奈(けいな)さんは「専用だからそのまま使えて、しっかり固定される。息苦しくないし曇らない」と練習に集中していた。
飛沫対策 改良に全国から協力
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音楽界では3月ごろから全国で演奏会の中止・延期が相次いだ。飛沫(ひまつ)への関心が高まるなか、国内外では大学や音楽団体などが楽器ごとに実験。フルートは、吹いた息の多くが楽器の中に入らず、外に流れて1メートル以上に及ぶという報告もあった。さらに他の楽器よりも飛沫の放出量が多いことも指摘された。
「えらいことや。オーケストラ…
2種類
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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