静岡県熱海市伊豆山で起きた土石流をめぐっては、最上流付近にあった盛り土の崩落で規模が拡大した可能性が指摘されている。盛り土はなぜ造られ、崩落したのか。同様の災害は過去にも相次いでおり、対策の強化を求める声も上がる。
「山が膨大な水を持ちきれなくなって噴き出て、その上にあった盛り土を押し流して被害を大きくした」
静岡県熱海市伊豆山で起きた土石流の最上流付近を視察した川勝平太知事は5日、発生の原因について報道陣にこうした見方を示した。「原因が、長雨の蓄積であることは間違いない」
盛り土は土砂を人工的に固めたものだ。熱海市によると、現場はもともと谷だったが、土砂が階段状に固められ、盛り土になったという。県によると、2010年以降の国土交通省のデータなどから、盛り土は約5万4千立方メートルあったと推定され、この盛り土を含めた10万立方メートルが崩落した可能性があるとしている。
この盛り土はどういった経緯でできたのか。
市によると、崩落現場を含む一帯の土地(約116ヘクタール)を神奈川県小田原市の不動産会社が06年9月に取得。「宅地開発をする」などと説明があったという。
約半年後には、崩落現場周辺…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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