吉沢英将
7日夜に発生した地震は、水道管や交通インフラに影響が出るなど、甚大な被害が予想される首都直下地震を想起させた。
東京23区や千葉県北西部などでは高層ビルをゆっくりと揺らす長周期地震動が観測され、東京都立大の中林一樹名誉教授(都市防災学)は「直下地震でも、インフラ施設や高層マンションに、長周期地震動が襲うことを改めて首都圏に突きつけた」と話す。
国の中央防災会議が設けた有識者によるワーキンググループが2013年にまとめた報告では、マグニチュード(M)7級の地震は首都圏で30年以内に70%の確率で起こるとされる。首都中枢機能への影響が最も及ぶ都心南部直下地震(M7・3)では最悪の場合、建物の全壊は17万5千棟、焼失は41万2千棟に。死者は2万3千人に上り、経済被害は総額95兆円に及ぶ。
このワーキンググループで委員を務めた中林名誉教授は、想定される首都直下地震について「地震のエネルギーは約100倍。被害は今回と比べものにならない」と警鐘を鳴らす。建物のみならず、室内に危険が及ばないよう家具の固定や配置を見直したりすることが大切だという。(吉沢英将)
帰宅困難時に備えて準備しておくこと
・状況把握のために携帯ラジオを持つ
・徒歩での帰宅地図を作っておく
・ロッカーにスニーカーを入れておく
・季節に応じた冷暖グッズ(カイロなど)を準備
・連絡手段や集合場所を事前に家族で話し合う
・歩いて帰る訓練をする
(東京都防災ホームページから)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル