石平道典
東京都足立区が大学生らを対象に2023年度から始める返済不要の「給付型奨学金」で、第1期の20人分を募集したところ、約10倍にあたる192人から応募があった。書類選考や面談で3月中に採用者を決め、4月下旬に給付を始める。
この奨学金は私立大学の理系で総額約826万円、私大医学系では同約3594万円を支給上限とする。入学金、授業料、施設整備費を全額支給する。対象は区内在住の保護者がいる大学生らで、年間40人程度。高校時の成績が5段階評価の4・0以上で、保護者の年収は800万円以下が条件だ。
区教委によると、第1期の募集は1月4日~2月28日だった。応募の多さに担当者は「これほど反響があるとは」と驚く。期間の終盤に応募が集中したといい、「2500字程度の学修計画表の提出が必要で、準備に時間がかかっていたのではないか」とみる。
第2期(20人)の募集は3月1日~4月14日。1、2期両方の申請が可能で、区教委は今後さらに応募が増えるとみている。
区は貸し付け型の奨学金制度を設けていたが、21年度は80件の枠に対し利用は29件にとどまった。給付型奨学金は成績優秀な若者を支援する狙いがあり、区教委の飯塚尚美学務課長は「若い人が夢を実現できるよう、しっかり支援していきたい」と話す。(石平道典)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル