埼玉県川越市の丸広百貨店川越本店屋上で約51年間営業してきた遊園地「わんぱくランド」が9月1日、閉園する。運営会社によると、観覧車に加えエアプレーン、ミニモノレールと複数の大型動力遊具が常時営業でそろう、全国で最後に残る屋上遊園地。親子3代で親しんだ人も多く、惜しむ声が寄せられている。
「40年くらい前、今は亡き父と一緒に遊んだ」「私も自分の子どもを連れて来ようと思っていたのに」
来場者のメッセージがエレベーターホールの外まであふれ、階段の壁一面を埋め尽くし階下まで続く。閉園が決まった今年4月、丸広が設けたコーナーで、その数は約7千枚にのぼる。
「家族の歴史みたいなところよ」。川越市の神山(こうやま)清子さん(75)は言う。長女(50)が幼い頃、週に何度も通った。観覧車が大好きで、一緒に乗るとご機嫌だった。長女が結婚し男女3人の孫が生まれると、働く長女に代わって連れてきた。迷子になって必死で捜したこともある。週末には長女や孫たちとそろって遊んだ。今でも一人で訪れる神山さんはメダルゲームがお気に入りで、対戦を通して大学生など若者の友達もできた。観覧車が回っているのを確認し、思い出に浸る。
開園は丸広が現在地に建った4年後の1968(昭和43)年で、屋内ゲームコーナーと合わせて約1500平方メートル。開業時から、ほとんど姿を変えていない。
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル