最後の被爆地・長崎で13、14日に開かれた主要7カ国(G7)保健相会合。各国の代表者による平和公園訪問が急きょ追加され、そろって平和公園で平和祈念像前に献花した一方、被爆者が希望していた面会は実現せず、長崎原爆資料館を訪問した代表も一部にとどまった。「被爆の実相」を伝えるという面で、課題が残った。(寺島笑花、岡田真実)
「被爆の実相に触れて頂く機会を持てたんじゃないかという風に思っています」
14日午後。保健相会合に出席した各国の代表らが平和公園の平和祈念像に献花した後、長崎市の鈴木史朗市長は報道陣に語った。
被爆者との面会は実現せず
保健相会合の開催が決まったのは昨年9月。高度感染症研究センターなどを持つ長崎大を中心に、医療の発展に貢献してきたと評価された。田上富久市長(当時)は「各国に被爆の実相を知っていただく機会にしたい」として、会合参加者らが原爆資料館を視察するよう、岸田文雄首相に要望。被爆者団体やNGOなどで構成する「核兵器禁止条約の会・長崎」も、保健相らが被爆者の声を聞く機会を作るよう、大石賢吾知事に要請した。
ただ、予定に被爆者らとの面会や資料館訪問は組み込まれず、平和公園での献花が急きょ日程に追加されたのも14日の朝だった。加藤勝信厚生労働相は「タイトなスケジュールだが、ぜひ平和公園には行って頂きたいということで予定をさせて頂いた」と説明する。県や長崎市などでつくる協議会事務局の担当者は、「被爆者との懇談もできればよかった」としつつ、「当初予定になかった平和公園への訪問や献花をG7の各国代表がそろって実施できてよかった。ほっとした思いがある」と語った。
フランス代表「訪問しないはあり得ない」
会合の会場となった「出島メッセ長崎」では、医療機器メーカーが最新の機器などを紹介する展示ブースがあった。県や長崎市などでつくる協議会も出展。原爆の被害や被爆者の言葉をパネルで紹介した。
各国代表らは13日夕に展示…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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