進水式直前に大臣が命名
「はぐろ」の命名・進水式は7月17日、梅雨の晴れ間の昼下がり、横浜港に臨む造船会社ジャパン・マリンユナイテッドの磯子工場でありました。防衛相の命名書が読み上げられ、艦の側面にある掲示板にかかった紅白の幕がするすると開き、艦名が現れました。「はぐろ」は信仰の山・出羽三山のひとつ、羽黒山(山形県鶴岡市)からきています。
自衛艦の命名は、1960年に防衛庁長官(いまの防衛相)が出した海自の訓令がもとになっています。「自衛艦の名称付与は進水する時に防衛相が行う」と書かれており、それでこのように防衛相による命名と進水が一体になった式典になるのです。
その訓令には「自衛艦の名称等を付与する標準」も、22種類の艦艇ごとにずらりと示されています。読んでみると――。
「訓令」に命名基準ずらり
火力の強い護衛艦は「天気・気象、山岳、河川、地方の名」とあります。そのうち、「はぐろ」のようなイージス艦には山の名、空母化が取りざたされる「いずも」のようなヘリ搭載型には昔の各地の国名がつけられています。「むらさめ」という、天気であっても江戸時代の小説に出てくる名刀を思わせる名もあります。
輸送艦は「半島(岬を含む)の名」で「おおすみ」などが、機雷を処理する掃海艦艇は「島の名、海峡の名」で「あわじ」や「えのしま」などがあります。対艦ミサイルを備え小回りの利くミサイル艇は「鳥の名、木の名、草の名」で、現有の6隻は「はやぶさ」「おおたか」など全て猛禽(もう・きん)類にちなむ名です。
興味深いのが潜水艦で、「海象、水中動物の名、ずい祥動物の名」です。「水中動物の名」が最も「体を表す」ように思えますが、いま20隻の海自の潜水艦にそうした名はありません。「おやしお」など海象の「潮」にあたる「○○しお」が9隻と、新しい型で「そうりゅう」など「竜」を使った「○○りゅう」が11隻です。
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Source : 国内 – Yahoo!ニュース