浪間新太
プロ野球オリックスの本拠地・京セラドーム大阪(大阪市西区)では2日、パブリックビューイングがあり、約5千人のファンが集まった。最終戦で2年連続の優勝が決まった瞬間、割れんばかりの拍手が球場を包んだ。
午後9時半ごろ。オリックスの勝利後、大型ビジョンは首位ソフトバンクの試合に切り替わり、その敗北を伝えた。大阪市西成区の会社員、野元真澄さん(50)は「優勝の瞬間は『うそやろ?』って思った。夢みたい」と声を弾ませた。
チームはシーズン中盤に長く5位に沈んでいた。車いすで球場に訪れた大阪府八尾市の会社員、塩見海斗さん(26)は「派手さはないけど、選手たちの最後まであきらめないプレーや負けた試合後の悔し涙を見て、応援してきた」と話す。小中学校で9年間野球をしていたが、病気の影響で足の筋肉が弱り、高校では続けられなかった。「苦しい時もあきらめず、優勝を決めたオリックスに勇気づけられた。自分も前向きにがんばろうって思える」と笑顔を見せた。
子どもの頃からのファンという大阪市大正区の会社員、戸田太平さん(33)は、涙を流して喜んだ。「感無量です。ずっと応援してきてよかった。この勢いでクライマックスシリーズ、日本シリーズを勝ち抜き、日本一になってほしい」とエールを送った。
関西経済連合会の松本正義会長は「選手、監督、そして、全てのチーム関係者が力を合わせ、シーズン最終戦までもつれ込む熾烈(しれつ)な争いを制したことに敬意を表したい。特に「全員で勝つ」というスローガンを掲げ、適材適所の起用により、選手の持てる力を存分に発揮させ、優勝へと導いた中嶋聡監督はじめ首脳陣のマネジメント力を讃(たた)えたい。クライマックスシリーズでの活躍も期待している」とコメントした。(浪間新太)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル