最難関の国家試験、受検者全員が合格 工業高校が偉業

 長崎県立佐世保工業高校(佐世保市)の土木科と建築科の3年生が、国家試験「2級施工管理技術検定」で受検者全員の合格を果たした。実務経験を積む前の学生が受ける検定としては最難関。3年間、全員合格を目標に教え合いながら、偉業を達成した。

 土木科は38人、建築科は39人が受検し、ともに全員が合格。建築科の福田顕(あき)教諭は「全員の笑顔が見たい」と言い続けた。「誰がどこを理解していないか、それが改善されたかどうかを随時確認した」という。土木科を指導した太田史彦教諭は赴任後、全員合格は3年連続。一方、福田教諭は2年ぶり4回目。

 生徒は、3年次は就職試験の準備と並行して勉強を続けた。土木科の百武奏(かなで)さんは「先輩が2年連続合格だったので、自分たちもと思っていた。これを伝統にできたらいい」。建築科の川下舞鈴瑛(まりえ)さんは「建築業界に就職しない人には仕事に関係のない検定なのに、全員で合格するという意識を持てた」と振り返る。

 互いに教え合って向上したという建築科の新川功城(こうき)さんは「宮大工として京都で神社や寺院の修理をするという昔からの夢がかなった。励まし合った体験は社会で役立つはず」。佐世保市水道局に就職する土木科の口石竣也さんは「生活に一番身近なのが水道。何かあればすぐ現場に駆けつけ修理したい」と話した。(原口晋也)


Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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