小川聡仁
神戸市立王子動物園(同市灘区)は27日、今月末に迫っていた国内最高齢のジャイアントパンダ「タンタン(旦旦)」の中国への返還期限について、1年延長したと発表した。今秋以降は心臓疾患の悪化などで竹が食べられず、液体の栄養食に薬を混ぜて飲ませているという。加古裕二郎園長は「タンタンファースト(優先)の考え方で治療にあたっている」と説明した。
同園によると、心臓疾患の病状が改善せず、「中国に輸送するリスクが大きい」との判断で、日中双方が合意した。延長された期限は、来年12月末まで。
タンタンは今年10月以降に体力が低下。食欲がなくなり、1日の9割以上を寝るか、じっとして過ごしている。以前は80~90キロだった体重が100キロ前後に増えた。検査のために職員が姿勢を変えるように指示しても、集中力を欠いて従わないこともあるという。
同園は心臓疾患と加齢が影響しているとみており、タンタンの寝室に酸素供給装置4、5台を置くなど、体調管理に努めている。
タンタンは、2000年に中国・四川省から貸し出された。合意していた飼育期間が満了するとして、20年に中国への帰国が決まったが、コロナ禍で一時延期になった。21年には心臓疾患が見つかって強心薬の投薬などが続けられ、返還期限の延長が続いている。
タンタンは現在28歳で、人間の80代に相当する。国内に9頭いるパンダのうち最高齢。同園では22年3月から観覧を中止している。(小川聡仁)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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