鉄道各社が開催する、電車を撮影したり運転したりできる有料イベントが人気だ。高額の参加費でも売り切れたり、抽選になったりしている。コロナ禍を機に力を入れ始めた鉄道会社もあり、魅力の発信とともに新たなビジネスとして期待されるほどの活況ぶりを見せている。
大阪府吹田市にあるJR西日本の吹田総合車両所。JR西は昨年5月、グループ会社の日本旅行と同車両所の見学ツアーを始めた。以降、ほぼ毎月のように、鉄道ファンらが電車を撮影する姿が見られるようになった。
戦前に京阪神間の急行電車として活躍したモハ52001号電車(通称・流電)、長年北陸線を支え廃車予定のクロ681―1001……。昨年5月の第1弾の内容は、マニア垂涎(すいぜん)の電車が撮影できるだけでなく、普段は入れない車両所内を社員が解説したり、食堂に懐かしのヘッドマークを展示したり。代金は現地発着プランで大人9500円、小学生8500円と安くはないが、募集した100人分は販売開始からわずか5分ほどで完売した。
今年3月までに11日間(計34回)開催。途中で内容を充実させて代金を大人1万2800円、小学生1万1800円に上げ、募集数も増やしたが、いずれも売り切れた。これまでに計約1300人が参加した。
兵庫県明石市の網干総合車両所明石支所でも今年1~3月に6日間(計12回)開催。大人1万4800円、小学生1万3800円と吹田より代金は高いが、計480人分が完売した。
担当者は「普段見られないコンテンツや現役社員の解説が好評で、車両所の紹介ムービーなど社員の手作り資料も他では得られない価値として喜ばれている」と説明する。
新型コロナの影響で運行本数を減らしていた昨年1月、JR西は各部門に鉄道資産をいかした誘客施策を呼びかけた。「コロナ禍でも安全に車両など鉄道の魅力に触れてもらえる機会を設けられないか」と吹田の車両所から提案があった。
そこで本社側は、参加人数を…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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