【兵庫】夏真っ盛りの8月上旬。
神戸市灘区の会社員、崎山亮太さん(41)は仕事が休みだったこの日、午前中から趣味のランニングで汗を流していた。
午前11時ごろ、中央区のHAT神戸近くの海岸沿いを通りかかった時だった。
バタバタバタ。
海のほうから音がする。
目をやると、男性(18)がおぼれ、友人らしき数人が助けようとしていた。
「仲間が助けに入っているし大丈夫かな」。いったんは走りすぎようとしたが、横目でちらちらと見ていると、救助はてこずっている様子に見えた。
「やらなくて後悔するよりやって後悔したい」
海岸へ走り、ランニングウェアのまま海に飛び込んだ。
小学生のときに水泳を習っていて泳ぎは得意な方だったという崎山さん。おぼれる男性の下に入って体を持ち上げ、岸辺に引き揚げた。
男性は白目をむいて意識がなく、海水を飲んだ様子だった。崎山さんが心臓マッサージをし、人工呼吸を繰り返すと、男性は海水を吐き出した。
その後救急車で運ばれ、一命をとりとめた。
崎山さんは、数年前に会社で受けた市民救命士講習の経験をうっすら覚えていて、心臓マッサージと人工呼吸につながったという。
「男性が助かり元気だと知ってホッとしました。行動してよかった」。崎山さんには、人命救助への貢献をたたえる「のじぎく賞」が葺合署から贈られた。(熊谷姿慧)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル