服を買うときに考えを巡らせて 縫製工場の崩落事故10年で展示開催

横川結香

 バングラデシュの縫製工場が入ったビル「ラナ・プラザ」が崩落し、多数の死傷者を出した事故から10年を迎えたことに合わせ、ファッション産業の変化を振り返る展示「TWO DECADES OF HIDDEN FASHION」が東京都渋谷区神宮前のジャイル・ギャラリーで開かれている。

 事故は2013年4月24日に起きた。発生前から建物の亀裂が確認されていたものの、操業を続けた結果働いていた1千人以上が死亡し、2500人以上がけがを負った。劣悪な労働環境や環境汚染など、産業の負の面に厳しい目が向けられるきっかけとなった。

 展示では、産業を取り巻く国際的な状況や移り変わりを示すため、国などによる22種類の公開データを図を使って可視化した。衣服の価格がこの30年間で半額以下に下がっていること、服から服へのリサイクル率が1%にとどまることや、サプライチェーンを公開する企業の増減やその透明性などを伝えている。

 また、持続可能な服づくりを実践するアウトドア用品大手「パタゴニア」の部門責任者や繊維業者、ファッションデザイナーなど産業の担い手が、産業の課題や自身の取り組みを語るインタビュー動画や音声をそろえたコーナーもある。

 展示を企画した団体「ファッションレボリューションジャパン」のプロデューサー鎌田安里紗さん(30)は「私たちが毎日着る服はとても身近な存在。課題について関心を抱いてもらい、実際に服を買う時に考えを巡らせてもらえたらうれしい」と話す。

 展示は29日まで。午前11時~午後8時。問い合わせはジャイル(0570・056990)。(横川結香)

有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

Japonologie:
Leave a Comment