朝鮮学校に通う子どもたちに学ぶ権利を――。大阪府・大阪市による補助金停止と、国による高校授業料無償化制度からの適用除外。この二つに抵抗し、計約10年に及んだ裁判闘争を記録した書籍「『あたりまえの権利』を求めて」が刊行された。
その日、裁判長が判決の主文を読み終えると、傍聴席は歓喜に包まれた。チマ・チョゴリを着た朝鮮学校の女子生徒たちは、涙を流しながら抱き合った。
2017年7月28日。大阪地裁は、大阪朝鮮高級学校(大阪府東大阪市)を高校無償化の対象から除外した国の処分は違法だとして、無償化適用を命じた。
判決は「教育の機会均等の確保とは無関係な政治的意見に基づいており、裁量権を逸脱している」と認定。さらに、民族の言葉や文化、歴史を学ぶ民族教育の意義を認めた内容だった。
「私たちの存在が認められた」
この日の夜。大阪市の東成区民センターで開かれた報告集会で、一人の少女がマイクを取った。
「やっと、やっと私たちの存…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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