深夜の将棋は、これほどまでに疲れるものか…。木村一基王位(46)と全国の視聴者がオンラインで戦う企画が5月30日に行われ、木村王位が勝利を収めた。多くの視聴者が知恵を集めたものの、結果は敗戦。改めてタイトルホルダーの強さが際立ったが、ファンからすればその強さよりも、長時間、かつ深夜まで戦い続ける棋士のスタミナに驚いたようだ。
この企画では、ABEMAの視聴者が番組のコメント欄やTwitterで候補手をあげ、それを奨励会員・小山泰希初段がアンケートを実施、最も多い意見から指し手を進め、木村王位と戦うといったルールで進められた。途中、日本将棋連盟会長・佐藤康光九段(50)、A級棋士・菅井竜也八段(28)、タイトル経験者・高見泰地七段(26)といった助っ人が入る中、対局は好勝負に。それでも終盤「千駄ヶ谷の受け師」の異名を持つ木村王位が、抜群の受けで視聴者たちの攻撃を封じると、そこから一気に反撃の手を強め、快勝を収めた。
午後8時台から始まった対局だが、終局を迎えたのは翌31日の午前0時を迎えてから。公式戦で対局時間が0時を過ぎるといえば、持ち時間が各6時間の順位戦が有名で、終局後にも解説を務めた糸谷哲郎八段(31)、藤森哲也五段(33)も、この順位戦についての話で盛り上がった。
深夜の戦いについて木村王位は「いつも終わるぐらいか、いい勝負の時間かなってくらいです。ご覧になられている方も疲れたでしょう」と微笑んだが、この言葉に視聴者も反応。中でも「順位戦の気持ちがわかった」「将棋は高みの見物がいい」など、いざ戦うとなると非常に過酷であることを体験できた、という声が多数見られていた。
順位戦の対局は持ち時間が各6時間。通常、午前10時から始まり、昼食・夕食それぞれ40分の休憩を挟む。両者が持ち時間を使い切れば、対局が翌日にまでもつれ込むことは珍しくない。
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Source : 国内 – Yahoo!ニュース