更新は少し面倒ですが、身分証明にもなる運転免許証…。
実は12月から、運転免許証の記載に新たな制度が追加されました。結婚などで変わる前の“旧姓”を表記できるようになったのです。
この制度は、免許更新の時などに希望すれば、氏名欄にかっこ書きで旧姓を併記することができるというもの。
結婚した後も旧姓で仕事を続ける人が増えている事などを受けて始まったこの制度。大阪の街では…?
女性:
「絶対アリやと思う、アリ」
同僚の男性:
「女性も働く時代ですからね」
同僚の女性:
「旧姓です、職場では旧姓です。1回変えたんですけど、ややこしくてやめました、また(旧姓に)戻しました」
別の女性:
「結婚する時だけ、色んな物を全部変更せないかんのが面倒っていうか、銀行口座もかえて、カードもかえてって手続きが大変というだけで…」
また別の女性:
「結婚と離婚を繰り返すといちいち免許証変えなあかんでしょ、名前も…。何年か先にはこっちがいいよねって時代がくると思う」
生活の中で「旧姓」の使用はどこまで認められるのしょうか。また職場で“旧姓が使えない”というのは違法となるのでしょうか。菊地幸夫弁護士に伺います。
菊地弁護士:
「まず、弁護士や保育士、美容師などの国家資格については、登録は戸籍の姓を使ってくださいというものが多いと思います。ただ業界によっても違いますし、個別の企業等が判断されていると思われます。
例えば、弁護士は自分の事務所名や名前を登録するんですね、。それは戸籍の姓でやってくださいというのが大前提です。ただ通称を使いたい人は届け出をしてくださいとなっています。そうすると弁護士名簿という電話帳みたいなものがあるんですが、それにどっちを載せてもいいという扱いになっています。
他の民間などは『それぞれ』です。携帯電話の会社でも、一部で旧姓OKというようなところもあるようです。大手などは今検討中ということで、旧姓使用可の方へ少しずつ移っていっているというところなんですかね」
Q.職場で“旧姓NG”というのは違法となるのでしょうか?
菊地弁護士:
「違法とまでは言えませんが、話し合いを…というところです」
Q.内閣府男女共同参画局の2016年調査によりますと、企業の34.6%が旧姓使用を認めていないということでした。こうなっているんですね。
菊地弁護士:
「そうですね。しかし、そこで従業員の方が『なぜ旧姓を使わせてくれないの?精神的苦痛を受けましたので慰謝料を』と言った場合にどうなるかは、また別の話です。
それが実際に争われた裁判がありまして、2016年、一審の東京地裁は旧姓使用の利益を認めつつも、会社側の職場での戸籍上の姓の使用ルールには合理性があると判断し、慰謝料については原告が敗訴しました。
ただ異議申し立てで、高裁で和解となりました。勤務先が折れて『旧姓OKにしよう』となったそうです。ですから裁判例として今は、どちらがダメよと決まっているわけでもありません」
Q.企業からすると、旧姓使用を認めると手間が増えるということなんですかね?
菊地弁護士:
「例えば社会保険関係とか、色んな手続きがありますからね。この場合は旧姓で、こちらは今の姓でとなると、じゃあコレはどっちなの?ということにもなっちゃいますので、統一してくれた方が便利は便利なようですね」
(関西テレビ12月4日放送『報道ランナー』内「そこが聞きたい!菊地の法律ジャッジより)
Source : 国内 – Yahoo!ニュース
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