本屋さんがない山奥の宮崎県椎葉村。そこで小説家・原田ひ香さんと、動画で書評をするけんごさんが「小説の未来」について語り合った。なぜ書くのか、なぜ紹介するのか、本って本当に必要なのか――。縦横無尽に言葉を交わし、2人がたどり着いた結論とは。
村の交流拠点施設「Katerie(かてりえ)」2階にある図書館。聴衆は約20人。遠くは東京からもやってきた。
けんごさんの書評は中高生に人気で、多くのフォロワー(視聴者)がいる。原田さんから「本の紹介がここまでバズる(話題を呼ぶ)と思っていたか」と聞かれ、「全く想定外だった」と振り返った。
小説の未来について、けんごさんは「読書離れというのはウソだと思う。僕の動画を見て『初めて(本を)読んだ』というメッセージをたくさんもらう。要は触れるきっかけ作り。紙で読む楽しさを語り継いでいく」と答えた。
原田さんは「(出版不況は)人口減と動画との時間の奪い合いと言われるが、日々送り出されるコンテンツの根っこにはストーリーが必要で(小説の)ニーズはある。まず書いてみてほしい」と語った。
同図書館の司書で、今回の対談を企画した、今年度の宮崎本大賞の実行委員長、小宮山剛さん(33)はいう。「村内はもちろん、全国にオンラインを通じて届けられた。本を手がかりに、今後も椎葉の文化を打ち出していきたい。それが村にとっての自信や誇りになるように願う」(星乃勇介)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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