全国の書店員が一番売りたい本を投票で選ぶ第17回本屋大賞が7日、凪良(なぎら)ゆうさん(47)の小説「流浪の月」(東京創元社)に決まったと発表された。凪良さんはボーイズラブ(BL)小説のジャンルで10年以上のキャリアを持つ。BLより広い読者に向けて書いたのは受賞作が3冊目。小説に踏み出したきっかけは、「銀河英雄伝説」の二次創作に30代ではまったことだ。作家としては異色のキャリアだが、人と人が理解し合えない生きづらさを、一貫して書き続けてきた。
――本屋大賞の受賞が決まりました。
「ありがたいなと思います。ずっとBLでやってきて、一般文芸で、(文庫ではなく)単行本を出すのは初めて。いうなれば、ど新人じゃないですか。それなのに、東京創元社さんがすごく破格に期待をかけて、力を入れてくださった。ほんとうに書店員さんの口コミで少しずつ広がっていって、一個ずつ力をいただけて応援してもらえたことが、ここにつながったので、ほんとうに奇跡だなと思っています」
――受賞作「流浪の月」は、9歳の女の子を大学生が誘拐するという刺激の強い設定です。これほど世間に受け入れられたのはなぜだと思いますか。
「もっと賛否が分かれると思っ…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル