「発熱した。コロナかも」
同居の両親から連絡があったのは、出産予定日の6日前。2022年1月31日の午後だった。
東京都内に住む会社員、伊藤睦美さん(39)は頭が真っ白になった。
「なんで今なの?」
17年に長女を出産したときは総合病院で産んだ。21年春、次女の妊娠がわかり、「コロナ下でも立ち会い出産ができる施設」を検索して助産院に行き着いた。
自然なお産ができるようにと、出勤前の早朝ウォーキングや甘い物断ちで、健康な体をつくった。
新型コロナの予防接種も2回受け、常にマスクを着用。産休に入ってからは、人混みには出かけないように気をつけていた。
それなのに……。コロナ陽性の妊婦は、医療従事者の感染を防ぐため、帝王切開で出産し、子どもはすぐに別室管理となる。そう聞いていた。
翌2月1日、両親は抗原検査で陽性が判明。睦美さんものどの痛みが出始めた。睦美さんは病院でPCR検査を受けた。
出産予定日前日の「PCR陽性」
2日と3日は37~38度台の発熱があったが、4日には平熱に戻った。同日夕、PCR検査の結果が届いた。陽性だった。
区の保健センターから電話があり、「陽性なら即入院になります」と言われた。
睦美さんは粘った。「症状も…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
Leave a Comment