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「あのね……」
保健室にいると、女子生徒たちの本音が見えてくる。
「親から暴力受けている」
「妊娠した」
「貧しくて食べるのに困る」
札幌市の高校で養護教諭をしている50代の女性は、生徒たちの声に耳を傾けてきた。「具合が悪い」とふらりとやってくる生徒たち。話すうちに、ぽつりぽつりと、自分たちの暮らしを語り出す。
心に残るかかわりがある。
その彼女は幼いころ、母親を病気で亡くした。生活保護を受給する父親と暮らしていた。
小学校から、ほとんど通わなかった。中学生のとき、不審に思った住民が児童相談所に通報し、児童養護施設に預けられた。
そして、養護教諭のいる高校に入ってきた。
慣れない学校生活。授業中じっと座っていることができない。入学して3日目に保健室へやってきた。彼女はドアの横から顔をのぞかせた。「入っておいで」
「頭がいたい」。彼女はにこにこしている。眠れているか、食事をとっているか。2人は会話をつづけた。
ふと、彼女がこぼした。「早…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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