札幌市は、新型コロナウイルスの感染拡大で市民に求めている不要不急の外出自粛などについて、期限としている16日以降も延長する方向で道と協議する。感染力が強いとされる変異ウイルスの感染が広がっており、医療提供体制が逼迫(ひっぱく)しつつあることが背景にある。
道と札幌市は感染再拡大を受け、3月27日から4月16日まで、同市内での不要不急の外出自粛と、道内他地域との往来自粛を求めている。
9日の対策本部会議後に会見した秋元克広市長は、変異株の影響で、若い世代でも重症化する事例が増えていると指摘。市内での重症・中等症患者の40代以下の割合は6日時点で11%で、感染が急拡大していた昨年12月7日の3%を大きく上回る。また、入院患者数は昨年12月のピーク時の8割に達し、重症者数は2日と6日に過去最多の21人となった。秋元市長は「(外出自粛要請の)解除の方向は難しい。追加の措置も含め道と協議を進めていきたい」と述べた。
市は桜や梅が見頃を迎える円山公園と平岡公園で24日から、一部の立ち入りを制限して飲食自粛を呼びかけるほか、市内9公園の炊事広場を当面は利用中止、豊平川河川敷の一部でバーベキューでの利用も中止(24日~5月30日)する。
また、道は9日の対策本部会議で、政府が「まん延防止等重点措置」を適用した東京都と京都府、沖縄県との不要不急の往来を控えるように道民らに要請することを決めた。会合前の定例会見で鈴木直道知事は、入院患者と重症患者の増え方が急であるとして、「今までの流行の流れと違う」と警戒感を示した。(中野龍三、松尾一郎)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル