かつて貯木場があり、材木商の街として栄えた東京都江東区木場に木製のプレハブが登場した。清水建設が「東京木工場」の建て替えにともない、打ち合わせなどの作業スペースとして建てた。大手ゼネコンで唯一、木場に木工所を持つ同社が、プレハブでも「木」にこだわった。
同社によると、木造のプレハブは接合部を全てボルトで締めており、組み立てや解体が、電動ドライバーのみでできる。また、鉄骨で造る標準タイプ(50平方メートル)の仮設ハウスを設置する場合と比較すると、3300トンのCO2削減効果があるという。
戦後、東京湾の埋め立てなどで材木を扱う多くの企業が木場から新木場に移転したが、同社は木場で施設を拡充しながら、加工場を構え続けた。建築から半世紀以上がたったため、全面的に建て替える。
新しい施設は2025年10月に完成予定で、コンセプトは「木の文化・技術・魅力の発信拠点」。大小11棟あった建物を2棟に集約する。敷地内には小さな森を造り、見学者への「木育活動」の場にする予定だ。
和田昌樹工場長(59)は「もともと木の加工場がたくさんあった木場で、建物を造るだけでなく、木育活動の場として貢献していきたい」と話している。(藤原伸雄)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル