土舘聡一
作家の村上春樹さんが25日夜のラジオ番組で、神宮球場と秩父宮ラグビー場を建て替える明治神宮外苑地区(東京都)の再開発事業について「個人的に強く反対しています」と述べた。「緑あふれる気持ちの良いジョギングコースを、すてきな神宮球場を、どうかこのまま残してください。一度壊した物ってね、もう元には戻りませんから」などと話した。
「神宮外苑の再開発が色々と話題を呼んでいますね」。村上さんは、25日午後7時から放送された自身がDJを務めるTOKYO FMの番組「村上RADIO」で切り出した。東京にいる時は、ファンであるプロ野球・ヤクルトが本拠を置く神宮球場に歩いていける所に住み、毎朝、外苑の周りをランニングしていたという。
顔見知りになったランナーとの交流も振り返りながら、「そういう思い出もいろいろあって、僕は神宮外苑の再開発には個人的に強く反対しています」と語った。
再開発事業は、都心の神宮外苑で球場やラグビー場を建て替えるほかに超高層ビル2棟なども新築する計画。837本を植樹する一方、700本以上の高木を伐採する計画に対して環境破壊や景観悪化を懸念する声が上がっている。音楽家の坂本龍一さんも3月に亡くなる直前、小池百合子都知事らに再開発の見直しを訴える手紙を送っていた。(土舘聡一)
有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
Leave a Comment