2020年7月の記録的豪雨で大きな被害を受けた熊本県球磨村で、村議選が行われている。途上にある復旧・復興を最大の争点に、各候補者は水害の傷痕が残る村内だけでなく、村外の仮設住宅にも足を運んで支持を訴えている。
21日午後1時過ぎ。球磨村神瀬(こうのせ)の多武除(たぶのき)地区にある観音堂の前に、村選管職員を乗せたワゴン車が到着すると、机やパイプ椅子を並べて、手際よく期日前投票所を設置した。
目の前の沢には、豪雨で流されてきた岩が転がったまま。投票所として利用していた近くの公民館はあふれた沢の水でつかり、使えなくなった。
時折激しく雨が降るあいにくの天気にもかかわらず、受付時間の午後2時になると有権者が訪れ、投票していった。近くに住む男性(73)は「天気ならもっとよかったが。近くまで来てくれて助かる」。
1958年に1万2954人だった人口が20年4月で3540人と約7割減った村では、投票管理者や立会人の確保が難しくなったため、投票所の再編が議論になっていた。
そこに豪雨が追い打ちをかけ…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル