東京と札幌、五輪をめぐる奇妙な「因縁」 公開討論会では賛否が対立

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日浦統 古畑航希

 札幌市が招致を目指す2030年冬季五輪パラリンピックの公開討論会(札幌青年会議所主催)が21日夜、市内であった。秋元克広市長ら6人がパネリストとして出席。大会の意義や費用対効果について論戦が交わされた。

 冒頭、秋元市長が「人口減の状況で都市を維持するには観光で多くの人に来てもらい、お金を使ってもらわなくてはいけない。五輪は札幌、北海道を知ってもらう機会になる」と開催意義を訴えた。テレビキャスターの佐藤のりゆき氏は「すでに札幌の知名度があり、今どんどんホテルもできている」と反論した。旭川市出身のタレント杉村太蔵氏は「五輪を経済対策ととらえるのではなく、スポーツの祭典と考えるべきだ」とし、「税金を投入せずに民間資金だけでやるべきだ」と述べた。

 1998年長野五輪スキージャンプの金メダリストで今も現役ジャンパーの船木和喜氏は「日本で五輪を開催すれば、子どもたちがウィンタースポーツに興味を持ってくれる」と述べつつも、「市民に歓迎されていない都市ではあまりやりたくない」と述べた。オンライン参加のジャーナリスト田原総一朗氏は「五輪の一番の問題は金権体質。札幌で東京大会のようなスキャンダルを起こしてはならない」と訴えた。

 大会の運営経費は2200億~2400億円で秋元市長は「既存の施設を利用する。夏に比べれば冬の五輪は経費が少ない」と強調した。大会見直し案の検討委員会のメンバーである弁護士の大川哲也氏は「東京大会では計画になかった経費が膨らんだ。施設整備費が膨らめば税金で賄うことになる」と反論した。(日浦統、古畑航希)

東京が「追い風」になったときも

 2030年冬季五輪・パラリンピック招致を目指す札幌市が、東京五輪の汚職・談合で生まれた「負のイメージ」を打ち消そうと躍起になっている。五輪招致を巡る歴史をひもとくと、札幌と東京はいつも何らかの影響を受けている。二つの都市にまつわる「因縁」を探った。

 札幌が最初に五輪を招致した…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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