東京都内の中学3年生約6万9千人が受けた英語スピーキングテストの音読問題に「学習指導要領の範囲外の内容があった」と指摘があり、議論となっている。指導要領の解説書によると、当該の表現は高校で扱うとされ、中学で記載はない。結果が都立高入試で用いられるテストでの出題を批判する識者もいる。
指摘があるのは、全8問のうち「パートA」第2問の英文音読問題。出題文に「may have seen」という「助動詞+現在完了」の表現があった。過去推量の意味がある。
学習指導要領解説(中学)には助動詞と現在完了を同時に扱う例文はなく、同(高校)には「助動詞と完了形を用いた過去に関する推測の表現なども扱う」という記述がある。指導要領について文部科学省の担当者は「最低限学ぶ内容を示したもの。中学の授業で扱うことを禁止はしていない。入試にどう出題するかは実施者の判断」と説明する。都教委は今回のテストの出題方針で、内容を中学の指導要領に準拠するものとし、パートAの狙いを「状況や英文を理解した上で、英語音声の特徴を踏まえ音読できる力をみる」としている。また、用いる英単語は教科書などに基づくとしている。
研究者や都議らからは「高校レベルの文法を含む出題は不適切」という指摘がある。8日の都議会本会議でも質問があり、浜佳葉子教育長は、出題内容を検討委員会で検討した上で、作成したとしたと答弁。また、指導要領について「どの文法をどの段階で使うかは制限されるものではない」とした上でテスト問題は「中学で学ぶ単語を用い、英語として自然となる文を出題した」と述べ、問題ないという見解を示した。都教委によると、都内で使われている中学教科書の一部で「助動詞+現在完了」というこの表現の記載があるという。
江東区立中学校で英語を教え…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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