東京の子どもの学力、本当に上がった? 平均上回る無回答率の背景は

データで読む東京都の教育⑦

 7月に結果が公表された、今春実施の全国学力調査。東京都は小6の国語と算数、中3の国語と数学と英語の全5教科で、全国平均を上回りました。この結果や課題について、阿部昇・秋田大名誉教授(教育方法学)に聞きました。

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 率直に言ってよく健闘していると思います。設問別の正答率を見ても、算数や数学で改善が見られます。記述式の問題も良くできていて、都全体で授業が改善していると感じます。

 正答率だけではなく、生活や学習状況について子どもや学校に尋ねる質問の結果からも、よい傾向がうかがえます。

 子ども向けの「授業で自分の考えを発表する機会で、自分の考えがうまく伝わるよう、資料や文章、話の組み立てなどを工夫して発表していたか」という質問では、「発表していた」は小6で29・9%、中3で27・4%で、全国平均より5~6ポイントほど高かった。

 また、学校への質問でも「教員が授業で問題を抱えている場合、率先して話し合ったか」との質問に関して、最も頻度の高い「週1回程度かそれ以上」の割合が、小学校では48・8%で、全国平均より10・8ポイントも高かった。先生たちのつながりが強く、相談しやすい職場なのだと思います。

 テストの点数が良いだけでは、好調な結果が一時的である可能性もありますが、こうした様々な面から見て、都全体で授業が改善されてきているのだと感じます。

記事後半では、阿部さんから見た東京都の課題や改善策、保護者へのアドバイスなどもご紹介します

 課題は、無回答率の高さです…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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