1991年に犠牲者43人を出した長崎県の雲仙・普賢岳の大火砕流から6月3日で31年がたつ。噴火によってでき、火砕流をもたらした溶岩ドーム(平成新山、1483メートル)は、1億立方メートルの岩の塊となって、今も動き続けている。現地はいま、どうなっているのか。崩壊の恐れはないのか。警戒区域に記者が入った。
5月中旬。研究者や消防、自治体職員ら約70人と、雲仙ロープウェイの妙見岳駅を出発した。島原市と九州大地震火山観測研究センターが主催する防災登山の一環で、今回で31回目を数えた。
約1時間後、立ち入りが禁じられている警戒区域の入り口に到達した。ゲートをくぐり、しばらく歩くと、目の前に岩だらけの山が現れた。
溶岩ドームだ。
「これ全部、噴火によって押し出されてきた溶岩です」。案内役の九州大地震火山観測研究センターの松島健教授が解説する。溶岩ドームは、東西600メートル、南北500メートル、厚さ240メートル。巨大な石の塊が、元の地山の上に覆いかぶさっている。
元々、地獄跡火口と呼ばれる…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル