宮脇稜平
24日の東京パラリンピック開幕に向け、聖火に用いる火をおこす「採火式」が12日、各地で始まった。津波で壊滅的な被害を受けた岩手県陸前高田市では、気仙大工左官伝承館にある、阪神・淡路大震災で被災した神戸市から分灯を受けたガス灯「3・11希望の灯(あか)り」から採火された。
式では、伝承館のある公園管理責任者で、約10年前に分灯を実現させた藤原直美さん(77)らが採火。「国立競技場で大きな火になったとき、犠牲者を悼む灯りの価値観が、アスリートや観客などみんなで共有されれば」と、復興とパラの成功へ期待を語った。
ギリシャで採火する五輪と異なり、パラは全国約880の自治体で採火式を行う。17日から会場のある東京、千葉、埼玉、静岡の4都県で順次聖火リレーを実施予定だったが、静岡以外は公道でのリレーを中止し、式典を開く。20日に東京に火を集め、21~24日は都内で式典が開かれ、開幕する。(宮脇稜平)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル