東京都調布市の東京外郭環状道路(外環道)の地下トンネル工事のルート上で、道路の陥没や空洞が見つかった問題で、東日本高速道路(NEXCO東日本)の有識者委員会(小泉淳委員長)は12日、シールド工法を用いた工事の施工ミスが主な要因だったとする調査結果をまとめ、公表した。国土交通省によると、2001年に施行された「大深度地下使用法」に基づく工事での事故は初めてという。
報告書によると、現場の地下では、トンネルを掘るシールドマシンと呼ばれる大型機械が地盤の土の硬さで動かなくなるトラブルが発生。マシンを動かすために土を軟らかくする薬剤を注入した結果、土を取り込み過ぎる施工ミスが発生するなどして機械とトンネル上部の地盤に隙間ができ、地盤が緩んだと指摘した。
さらに、現場は流動化しやすい砂の層や礫(れき)がある上、人工的に造成された場所で、「固い岩盤で表面が覆われていなかった」とし、こうした「特殊な条件」が重なったことで陥没や空洞が発生したと結論づけた。今年度内に再発防止策をまとめ、工事の再開時期を決めるという。
赤羽一嘉国交相は12日の閣議後の会見で、調布市と同じ大深度地下で計画されているリニア中央新幹線について「工事主体のJR東海は、調布市の陥没の原因などを調べる有識者委員会の見識を踏まえ、工事をすると認識している」としており、同じ工法を用いたリニア工事のスケジュールに影響が出る可能性もある。
NEXCO東は事故を受け、周…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル