東京医科歯科大(東京都文京区)は、語学の授業の一部について、新年度から東京外国語大(府中市)に有償で委託することを決めた。国立大の財政事情が厳しさを増すなか、人材や資金を効率的に活用しつつ、大学間交流の促進を目指す動きとして注目される。専門家は「同様の事例は広がるのでは」と指摘する。
医科歯科大が委託するのは教養課程の選択科目「初級フランス語」。例年、主に1、2年生40~50人が受講する。これまで自前で開設していたが、担当教員の退職が決まり、外語大に打診して話が進んだ。両大学は一橋大、東京工業大と約20年前に「四大学連合」を結成。研究や教育の連携を図ってきた下地があった。医科歯科大の若林則幸理事は「時代に合った医・歯学部の教養教育を考える中で、語学教育が専門の外語大に相談した。学生同士の交流も今後大いに期待している」と語る。
この取り組みは、他大学で科目を履修した際、それを自大学の単位として認める単位互換制度に基づいて導入する。制度自体はすでに多くの大学が活用しているが、今回のように、一つの科目を通年で他大学に有償委託する国立大同士の事例について、文部科学省の担当者は「聞いたことがない」と話す。
授業はオンライン形式で行われる。これまでの単位互換では実際に他大に行って授業を受けることが多く、実際に医科歯科大から外語大に行くとなると電車と徒歩で約1時間かかるが、医科歯科大生は移動せずに受講できる。
各国立大は国からの運営費交…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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