村上友里
2020年10月に東京都調布市で陥没事故が起きた東京外郭環状道路(外環道)の掘削工事をめぐり、事故が起きた地域を含む一部の工事中止を命じた東京地裁の仮処分決定について、住民側が14日、東京高裁に即時抗告した。弁護団によると、全区間の工事中止が認められなかったことを不服としている。
工事は、関越道大泉ジャンクション(JCT)から東名高速東名JCTまでの約16キロを地下トンネルでつなぐ計画。工事区間の周辺住民13人が20年、掘削で地盤沈下が起こるとして工事中止の仮処分を申し立てていた。
差し止めが認められた区間は現在も工事中断
2月の仮処分決定は、陥没現場付近での具体的な再発防止策が示されていないとし、「工事が再開されれば陥没が起き、生命・身体に危険が生じるおそれがある」と判断。北側と南側の双方から掘り進める工事のうち、南側の東京都世田谷区の東名JCTから武蔵野市付近まで進む約9キロの工事差し止めを認めた。ただ、先月工事が再開された大泉JCTからの工事の差し止めは認めていなかった。
差し止めが命じられた区間については、陥没事故後に工事が止められ事業者側が再発防止策を検討している。そのため2月に差し止めの命令が出ても工事への影響が出ていなかった。(村上友里)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル