東京機械製作所の買収防衛策認める 東京地裁判断、企業買収に影響か

鈴木康朗

 輪転機最大手の東京機械製作所買収防衛策について、東京地裁は29日、買収側の投資会社が申し立てていた差し止めの仮処分を却下した。東京機械製作所は22日の臨時株主総会で、買収側の議決権を制限したうえで、防衛策を可決していた。防衛側に有利な司法判断が出たことで、今後の企業買収に影響を与えそうだ。

 仮処分を申し立てていた投資会社のアジア開発キャピタル(東証2部上場)は、却下を不服として、近く東京高裁即時抗告する方針だ。

 アジア社は、完全子会社の「アジアインベストメントファンド」を通じて東京機械製作所の株式を買い集めた。9月上旬時点で議決権の約4割を取得した。

 東京機械製作所の経営陣は、買収防衛策の導入を取締役会で8月に決めた。アジア社側を除く既存の株主にだけ新株予約権を与え、アジア社側の保有割合を下げるものだ。

 臨時株主総会で経営陣は、「特定の利害を有する株主の議決権を除くのが合理的だ」として、アジア社側の議決権を認めなかった。アジア社などを除く株主のうち、議決権を行使した約8割が賛成した。防衛策は11月19日に発動する予定だ。

 アジア社側は、議決権を認めないことは1株あたりの権利は等しいとする「株主平等の原則」に違反し、株主総会の手続きは不適切だなどと反発していた。(鈴木康朗)

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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